歯科医に聞いた!乳歯を虫歯にさせない3つの掟
2015/10/02

歯科医に聞いた!乳歯を虫歯にさせない3つの掟

「歯磨きしているのに虫歯になるのは歯が弱いせいかも...」と思っていましたが、小児歯科専門医の坂部潤先生によると「本当に虫歯になりやすい体質の人はとても少なく、多くは正しい予防で虫歯ゼロを目指せます」とのこと。3つの掟を厳守し、こどもの健康な歯を守りましょう!

掟その1:おやつタイムを守る

甘いおやつを食べること自体が歯によくないと思っていましたが、問題は食べ方にあるのだとか。「わかりやすく言うと、虫歯は食べ物に含まれる糖質を虫歯菌が食べ、その排出物である酸が歯を溶かすことで起こります。そのため、口の中にいつまでも食べ物が入っていると虫歯菌の温床に。おやつは10時と3時、それぞれ20分ずつなど回数と時間を決めて食べることが大切です」。とくにアメやガム、ジュースなどは口の中に長く留まりやすいので控えたほうがベター。また、おやつを食べた後は、お茶を飲んだり、うがいをしたりするよう心がけるのもよいそうです。

掟その2:歯磨きは回数より質を大切にする

「歯に歯垢が溜まり、虫歯になるまでには数日以上かかります。歯磨きはやたら回数を増やすより、しっかり磨くほうが効果的です」。つまり、虫歯になるまでには結構時間がかかるので、その間にしっかり磨けば虫歯にはなりにくいとのこと。虫歯菌は唾液が減る夜間に増えるので、とくに寝る前の歯磨きに力を入れてほしいそうです。

また、先生によると「乳歯は大人の歯と比べると歯質がやわらかく、虫歯になりやすいので、フッ素で歯質を丈夫にしましょう。フッ素は歯の表面に長く留まりやすいジェルタイプがおすすめです」とのこと。フッ素は1日1回でよいそうなので、夜の歯磨き後の習慣にしたいですね。

掟その3:虫歯ができやすい場所は徹底ケアする

虫歯ができやすい場所は歯と歯の間、歯と歯茎の境、歯の溝。ここをしっかりケアすることが効果的な予防につながるそう。

  • 歯と歯の間...2歳頃から1週間に1回(できれば1日1回)デンタルフロスをかける。歯と歯の間に隙間がなく、歯ブラシの毛先が届かない場所だけでOK。
  • 歯と歯茎の溝...しっかり歯ブラシをあてて磨く。歯の汚れ具合は目に見えにくいので、たまに歯垢染め出し剤を使うと歯垢が赤く染まり、磨き残しがわかるのでおすすめ。
  • 歯の溝...歯科医院で、奥歯の溝に樹脂を埋め込み、汚れが入らないようにするシーラント処理をするのが効果的。※シーラントはだいたい3歳~6歳ころ、生えたばかりの奥歯の乳歯・永久歯(6歳臼歯)に施します。

また、過去の研究では1歳半以降に母乳を飲んでいるこどもは虫歯になりやすいといわれています。「虫歯予防だけを考えると1歳半までには卒乳させたいですが、卒乳時期はそれぞれの考えがあると思います。母乳を続ける場合は、その後に白湯を飲ませるなどして口の中を洗い流すといいでしょう」。授乳は親子の大切な時間でもあるので、その辺りもケアしながら無理なく卒乳したいですね。

乳歯が虫歯になると永久歯にまで悪影響を及ぼすことがあるそうなので、できる限りのケアをしたいもの。最後に坂部先生は「3〜4カ月に一度は歯科医院での定期健診を受けて、歯の状態を確認してもらいましょう。歯の状態やお子さんの発育に合わせた歯磨きの仕方も教えてくれるはずです」と話していました。家庭でのケアと定期健診をしっかり行い、虫歯ゼロを目指したいですね。

坂部 潤

監修:坂部 潤[さかべ じゅん]

キッズデンタル代表。歯学博士。日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。大学病院での小児歯科専門医療の経験や米国UCLA小児矯正科での留学経験を生かし、継続管理型の小児歯科専門医療を行う。雑誌や書籍の監修、テレビ出演なども多数。3児の父でもある。

執筆者プロフィール

窪和子

窪和子

小学生の娘をもつエディター&ライター。育児では寝かしつけが得意。必殺技は"和子窪のつまらない話"。政治や家計の話など、あえてこどもには興味のない話をして眠りに導く。こどもがなかなか寝てくれないとお悩みの方、ぜひお試しを!

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